「もうこれ以上、長銀発の破綻はやめてもらいたい」
「そごうについては検討中だが、ご趣旨に添えるかはお答えできない」
日本長期信用銀行の新生銀行としての再スタートを目前に控えた五月下旬、こんなやり取りが都内のある場所で交わされたという。先の言葉は経団連会長で、新生銀の社外役員も兼ねている今井敬氏のもの。答えているのは、新生銀の八城政基会長兼社長である。
昨年九月、米リップルウッド・ホールディングスを中心とした投資組合に長銀の譲渡が決まって以来、“金融村の論理”が通じぬ外資ゆえ、融資先が苦境に陥るのではないかとの懸念が取り沙汰されてきた。案の定と言うべきか、ここのところ立て続けに関連信販会社のライフと第一ホテルの支援要請を拒否した同行に、関係者から怨嗟めいた声が漏れてくる。

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