「雪印」事件が示す「品質管理」神話の崩壊

執筆者: 2000年7月号
タグ: 日本 アメリカ
エリア: アジア

「雪印乳業」大阪工場で製造された乳製品による集団食中毒事件は、発症者が1万2000人を超え、戦後最悪の規模となった。牛乳という大衆的な飲み物が原因の事件だけに、国民への心理的インパクトも大きく、その影響・余波ははかりしれない。まさに真夏の悪夢だった。 それにしても、事件が発覚してからの雪印経営トップの対応はお粗末としかいいようがない。商品回収の遅れ、情報の隠蔽体質、説明が二転三転する広報のまずさ……。すべてが後手後手に回る姿は、およそ乳製品最大手の老舗企業の経営者とは思えないレベルの低さである。社長の辞任も当然だろう。

カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
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