六カ国協議で「調停国」から「当事国」へと立場を移した中国。その背景には南北統一をも見据えた北東アジア秩序への戦略がある。[北京発]八月九日夕、北京の人民大会堂。日中平和友好条約締結二十五周年の祝賀レセプションに先立ち、呉邦国全国人民代表大会常務委員長が橋本龍太郎元首相ら日本側関係者と会見した。会見開始直後、ダークスーツの男が廊下を走ってきた。王毅外務次官だった。王氏は、北朝鮮側との六カ国協議の日程調整を終え、平壌から戻ったばかりだ。会見後、レセプション会場に向かう王氏をつかまえた。「日程は決まりましたか」

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