東日本大震災は、食料の重要性を改めてわれわれに教えてくれた。被災地では物流が途絶し、食料品自体が手に入らない状態となった。被災地から遠く離れた東京でも、多くの消費者は食料を買い占めに走った。他の物資と異なり、食料は、人間の生命・身体の維持に不可欠なものなので、わずかな不足でも、人々はパニックになる。
経済力がある日本で生じる食料危機とは、お金があっても、物流が途絶して食料が手に入らないという事態である。今回これは震災で生じた。最も重大なケースは、日本周辺で軍事的な紛争が生じてシーレーンが破壊され、海外から食料を積んだ船が日本に寄港しようとしても近づけないという事態である。世界全体では食料生産能力が十分あったとしても、こうした事態は生じる。これに対処するためには、一定量の備蓄と国内の食料生産能力を確保しておかなければならない。そのためにも、今回被害に遭った東北地方の農業復興が必要である。
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