かつて米国のレーガン大統領がカダフィ氏を「中東の狂犬」と罵ったことにみられるように、一般的に我々は、リビアを「中東」の国として分類しています。新聞社内でも、リビア情勢をフォローしているのはカイロ支局であり、サハラ砂漠以南を担当するヨハネスブルク支局やナイロビ支局ではありません。
私は中東情勢に詳しくありませんが、カダフィ氏が政権を掌握した1969年当時は、まだ「アラブ民族主義」がそれなりの輝きを放っていた時代であったと理解しています。そうした時代状況の中で、エジプトのナセル元大統領に心酔していたカダフィ氏は「アラブ民族主義」の後継者を自任していたでしょうし、また、中東政治の主役でありたいと願っていたでしょう。

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