南アフリカのプラチナ鉱山で起きた労働争議の政治経済的な意味について、平野さんが2度にわたって解説してくれた。2つの記事にある通り、民主化から18年が経過した南アでは、国民間の分断が顕在化している。この点に関連して、近年の南アで増加が著しいPublic Violenceについて記しておきたい。
Public Violenceは適切な邦訳を見つけるのが困難な言葉だが、敢えて言えば「大衆騒擾」や「暴動」が実態に近いかもしれない。45人の犠牲者を出したプラチナ鉱山の労働争議以外にも、南アでは09年ごろからPublic Violenceが頻発し、多数の犠牲者が出ているのである。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン