巨大前方後円墳を間近で御覧になったことはあるだろうか。「山」にしか見えない。なぜこのような無駄な造形物が無数に存在するのか、不思議に思えてくる。そして、苦役に耐えた古代人に、深く同情するのである。
しかし、「前方後円墳は、エジプトのピラミッドと同じように、公共事業だったのだ」とする説がある。
かつて、ピラミッド造営は強制労働で、奴隷が泣く泣く作業に従事していたと信じられていた。ところが、実際には失業対策を行なっていたのではないかと、指摘されたのだ。ナイル川の氾濫する農閑期に国が仕事を与えたというわけだ。言い出したのは、経済学者・ケインズである。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン