国際人のための日本古代史 (35)

アベノミクスは「仁徳ノミクス」を再現できるか

執筆者:関裕二 2013年2月15日
タグ: 日本

 巨大前方後円墳を間近で御覧になったことはあるだろうか。「山」にしか見えない。なぜこのような無駄な造形物が無数に存在するのか、不思議に思えてくる。そして、苦役に耐えた古代人に、深く同情するのである。

 しかし、「前方後円墳は、エジプトのピラミッドと同じように、公共事業だったのだ」とする説がある。

 かつて、ピラミッド造営は強制労働で、奴隷が泣く泣く作業に従事していたと信じられていた。ところが、実際には失業対策を行なっていたのではないかと、指摘されたのだ。ナイル川の氾濫する農閑期に国が仕事を与えたというわけだ。言い出したのは、経済学者・ケインズである。

カテゴリ: 政治 カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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