国際人のための日本古代史 (150)

スサノヲ篇(13)大物主神は「天皇家の祖・スサノヲ」なのか

執筆者:関裕二 2022年9月25日
タグ: 日本
エリア: アジア
ニニギがサルタヒコに誘われて降臨した高千穂(筆者撮影)
記紀神話を詳細に読み解くにつれ、不思議と重なってくる女神・アマテラスと男神・大物主神。そして大物主神の持つ「大いなる霊・鬼の主」という性格は、「神の中の神・鬼の中の鬼」スサノヲとも重なり合うのだ。

 スサノヲは太古の日本を代表する太陽神で、天皇家の祖だった……。前回提示しておいたこの仮説を、さらに確かなものにできるだろうか。

『日本書紀』が認めた「男性太陽神」の存在

『日本書紀』も、複数の太陽神の存在を認めている。太陽神は女神・アマテラス(天照大神)だけではなかったのだ。前回お話しした男神の「ヒルコ(蛭児)」がそうだし、第11代垂仁天皇の時代に新羅から来日したアメノヒボコ(天日槍、天之日矛)も、太陽神的属性を備えている(「日」と「槍=陽根・男根」)。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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