国際人のための日本古代史 (152)

スサノヲ篇(15)
藤原氏に隠蔽された「スサノヲ」と「蘇我氏」

執筆者:関裕二 2023年1月15日
タグ: 日本
エリア: アジア
出雲大社境内から発掘された、巨大な木柱の模型(筆者撮影、以下同)
高さ100メートルともされ、想像を絶する規模を誇った出雲大社だが、仔細に調べると、『日本書紀』編纂後に建てられた可能性が高い。そこからは、時の権力者藤原氏が、スサノヲや蘇我氏のヤマト政権への功績を矮小化し隠滅しようとした意志が見て取れる。

 出雲は神話と歴史時代に、何度もいじめられていた。だから『日本書紀』は、その祟りが恐ろしくて、巨大な社殿を建てたと記録する。

 とは言っても、出雲を神話の主役に据えた意図が、見えてこない。現実には、多くの地域がヤマト建国に携わり、そのあと起きた主導権争いで、日本海側の奴国[なこく](福岡市)やタニハ(但馬、丹波、丹後、若狭)は痛い目に遭って衰退している。出雲だけが栄え、滅びたわけではない。

なぜ出雲大社の本殿は巨大なのか

 そこでまず、出雲大社に注目してみよう。今でも本殿は巨大だが、以前はもっと大きかったようなのだ。

カテゴリ: カルチャー 社会
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執筆者プロフィール
関裕二 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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