今年の全国人民代表大会と全国政治協商会議の「両会」は、これといった焦点が見えにくいなか、目立ったのは習近平・国家主席の圧倒的な存在感だった。太子党を背景に持つ習近平氏と、中国共産主義青年団を背景に持つ李克強首相という2頭立ての馬車だった中国指導部が、習氏の1人勝ちに変質したことを印象づける場になった。
本来、中国内政を扱う「両会」の主役は首相。李克強氏には政府報告や記者会見を含めて発言の場はあったが、報告への拍手も小さく、会見も面白みや迫力がなく、精彩を欠くように映った。何より、「習李体制は終わった」という目で誰もが見ていたのが大きかった。

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