いま財界が値踏みする「三村明夫」の才覚

執筆者:安西巧 2007年12月号

落日一途かと思われた「鉄の盟主」が、ここにきてツキを味方にしはじめた。「次期財界総理」の呼び声は日増しに高まっているが――。 前首相の安倍晋三(五三)に続いて民主党代表の小沢一郎(六五)と政界では唐突な辞意表明が相次いだが、経済界では「次に逆ギレ辞任を言い出すのは財界総理ではないか」といった観測が飛び交っている。 昨年五月に就任した日本経団連会長の御手洗冨士夫(七二)。我田引水が目立つ言動やお膝元のキヤノンでの偽装請負発覚などで批判を浴び、さらに経団連内部でもあまりの政治音痴ぶりに「とてもついて行けない」などと漏らす事務局幹部が少なくない。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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