北朝鮮が核実験を行った時、朴槿恵(パク・クネ)大統領はラオス訪問中であった。予定を少し早めて帰国した朴大統領は9月9日夜、青瓦台で開いた安保状況点検会議で「権力維持のために国際社会と周辺国のいかなる話も聞かない金正恩(キム・ジョンウン)の精神状態は統制不能とみなければいけない」と非難した。朴大統領の怒りは分かるが、国家元首の発言としては少し疑問を感じる発言だった。金正恩党委員長の精神状態が「統制不能」と言ってしまうことは、韓国をはじめ国際社会は対応のしようがないと認めるようなものだからだ。最近の朴大統領の発言は、北朝鮮の状況を正確に指摘すると言うよりは、自らの願望や怒りを生の形ではき出しているようで危なっかしい。さらに、政権幹部が大統領に歩調を合わせ過激な発言を繰り返している。

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