ナチス絶滅収容所「告発映画」に浮かぶロシア「プロパガンダ」の影
映画『ヒトラーと戦った22日間』レビュー

映画館に設けられた作品の宣伝コーナー=東京・新宿で(筆者撮影、以下同)
600万人ものユダヤ人の命を奪ったホロコーストの現場と言うと、多くの人は「アウシュヴィッツ強制収容所」を思い浮かべる。現ポーランド南部クラクフ近郊にナチス・ドイツが設けたこの施設は、ナチスの残虐行為を象徴するモニュメントとして位置づけられている。100万人以上という最大の犠牲者を出したこと、一部の建造物が破壊されずに残されたこと、絶滅施設と同時に強制労働施設を伴っていたため10万人以上の収容者が生き延びて実態を伝えたこと、などからである。

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