米朝交渉「5時間半」の内幕(下)北朝鮮に残された「時間」

ボルトン米補佐官は2、3カ月内にも2回目の会談が行われると言うが(左・トランプ大統領、右・金正恩党委員長)(C)AFP=時事

 

 今回のマイク・ポンペオ米国務長官の4回目の訪朝に対する米朝当局者双方の反応は、奇妙なものであった。非核化の中身では、北朝鮮が豊渓里核実験場への査察を受け入れた以外には、具体的な合意事項は発表されなかった。また第2回米朝首脳会談の期日、場所についても合意はできなかった。しかし、ポンペオ長官は訪朝直後にツイッターで、「いい旅ができた。米朝首脳会談の合意をこれからも前進させていく」「トランプ大統領と金党委員長が交わした約束を果たすべく金党委員長と作業を続ける」と自画自賛した。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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