「寝そべり」主義の内実――プレッシャーの中でも突き進む中国の若者たち

執筆者:夏目英男 2021年7月26日
タグ: 中国
エリア: アジア
日本での報道も増えた中国の「寝そべり」主義だが、現地の若者たちはあくまでライフスタイルの一種としてとらえている(写真はイメージです)。©AFP=時事
中国の若者の新たなライフスタイルとされる「躺平」(寝そべり)現象は、多くの場合その実態を誤って解釈されている。5歳から北京に住み、清華大学大学院を卒業後、中国の若者のトレンドなどについての寄稿も多い筆者に、現地の若者へのインタビューを交えてレポートしてもらった。

 4月17日、中国の大手サーチエンジンであるバイドゥの電子掲示板サイト「貼吧」にて、「躺平即是正義」(寝そべりは正義だ)というスレッドが立ち上がった。スレッドを立ち上げたユーザーは、自身の経験をもとに「2年以上仕事をせずに、遊びほうけている。(寝そべっていることは)別に間違いではない。プレッシャーは全て他人との比較や、先人から受け継ぐ伝統的観念によって生じるもの――人間はそうあってはならない」と語った。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
夏目英男(なつめひでお) 1995年、東京生まれ。両親の仕事の関係で5歳で北京移住。2017年清華大学法学院及び経済管理学院(ダブルディグリー)を卒業。2019年、同大学院公共管理学院(公共政策大学院)卒業後に帰国。日本の政府機関で日本と中国をつなぐ事業に従事する傍ら、中国の若者トレンドやチャイナテックなどについての記事を執筆。現在、日本の独立系ベンチャーキャピタルにてスタートアップへの投資や、投資先の支援業務などを行う。著書に『清華大生が見た最先端社会、中国のリアル』(クロスメディア・パブリッシング)がある。
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