ウクライナ戦争とインド――「漁夫の利」戦略の行く末 

執筆者:中溝和弥 2022年4月21日
エリア: アジア ヨーロッパ
モディ首相の「攻めの外交」の先に見えてくる一つの可能性とは(C)AFP=時事
 
インドはなぜ対ロシア非難決議を棄権したのか。ロシアへの兵器依存や歴史的な友好関係だけでは、ヒンドゥー至上主義を背景に権威主義的傾向を強めるモディ政権の「漁夫の利」戦略は説明できない。

 ロシアによるウクライナ侵攻からほぼ2カ月が経過しようとしている。世界戦争に発展しかねないプーチンの暴挙を国際社会は強く非難しているがi)、その国際社会の団結を示す試金石が、ウクライナ侵攻直後に開催された国連安全保障理事会におけるロシア非難決議であり、それに引き続く国連総会決議であった。 

 中国の棄権は想定内だったものの、耳目を集めたのがインドの棄権である。 

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カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
中溝和弥(なかみぞかずや) 京都大学 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 グローバル地域研究専攻 教授。1970年生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。専門は南アジア地域研究、インド政治。著書に『インド 暴力と民主主義 一党優位支配の崩壊とアイデンティティの政治』(2012年、東京大学出版)がある。
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