印モディ政権の至上命題から読む「自由と民主」「中国牽制」への疑わしき本気度

執筆者:中溝和弥 2021年11月5日
タグ: インド 中国
エリア: アジア
モディ政権は「自由と民主」の盟友なのか(C)EPA=時事
「自由で開かれたインド太平洋戦略」(FOIP)のパートナーとして期待が高まるインドだが、モディ政権が「自由と民主」の盟友となるかは疑わしい。ヒンドゥー至上主義を背景にインドの民主主義が損なわれてきたことは否めないからだ。

 

感染者数「世界2位」のコロナ失策

 2021年10月21日、インド政府は新型コロナウイルスのワクチンの接種回数が10億回を突破したと公表し、大々的に祝った。ナレンドラ・モディ首相は、首都デリーの病院を訪れ医療従事者に謝意を述べると同時に、全国へ向けた演説を行い、ツイッターでは「インドの科学、進取の気性、13億人の団結」が示されたとして、これを誇った。

 翌日の全国紙には、モディ首相の偉業を讃える広告が、来年初頭に州議会選挙を控えているインド最大の州ウッタル・プラデーシュ州政府によって大々的に打たれた。政府の公式ビデオ、10億回達成を祝う飛行機のラッピング、政府広告のいずれを見ても、誰よりも主役はモディであり、コロナ禍を封じ込める強いリーダーシップを印象づけた。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
中溝和弥 京都大学 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 グローバル地域研究専攻 教授。1970年生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。専門は南アジア地域研究、インド政治。著書に『インド 暴力と民主主義 一党優位支配の崩壊とアイデンティティの政治』(2012年、東京大学出版)がある。
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