ロシア「ウクライナ侵略」は国連と戦後国際秩序の終焉となるか

執筆者:鈴木一人 2022年3月8日
エリア: 北米 ヨーロッパ
国連安保理常任理事国による武力侵攻は、これまでもなかったわけではないが……(前列左端はグテーレス事務総長、その右が2月の議長国だったロシアのネベンジャ国連大使、右端は米国のトマスグリーンフィールド大使)(C)EPA=時事
国連総会決議でロシアの侵略は非難された。だが、核の脅しまで用いて領土的支配を目指すロシアの動きは、両大戦の悲劇を礎に築かれてきた国際秩序を揺さぶり、世界を19世紀的「力の論理」の支配下に戻す危険性をはらんでいる。

 昨年10月ごろからウクライナ国境に大量の兵力を集結させ、圧力をかけていたロシアだが、2月24日、ウクライナの侵略を開始し、一気に首都キエフにまで迫った。当初は圧倒的な航空優勢と大量の地上軍の投入により、早期に決着がつくとみられていたが、ウクライナ軍の抵抗は激しく、ロシアが想定していたような結果を得られているわけではない。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
鈴木一人(すずきかずと) すずき・かずと 東京大学公共政策大学院教授 国際文化会館「地経学研究所(IOG)」所長。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授、北海道大学公共政策大学院教授を経て、2020年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、編・共著に『米中の経済安全保障戦略』『バイデンのアメリカ』『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』『ウクライナ戦争と米中対立』など多数。
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