「物価上昇の鈍化」で好悪材料ぶつかる米経済、そして見逃せない「円高」シナリオ

執筆者:滝田洋一 2022年8月15日
エリア: 北米
国内半導体産業をバックアップするCHIPSプラス法に署名したバイデン大統領。だが、半導体市況は視界不良だ[8月9日、ホワイトハウス](C)AFP=時事
7月の消費者物価指数によるポジティブ・サプライズは米国株相場を押し上げた。ただインフレ沈静からはほど遠く、バイデン政権の難局は依然として続いている。一方、景気が悪化すれば米企業は、20年ぶりの水準にあるドル高の痛みを吸収しきれなくなるかもしれない。来年にかけて円高転換のリスクシナリオも想定する必要がある。

 インフレが加速するのか、鎮静するのか。景気は後退するのか、持ちこたえるのか。企業業績は……。日本がお盆休みの気分に浸る8月半ば、米国経済をめぐって世界中が花占いをしているように、気もそぞろとなっている。

 8月10日もそんな日だった。この日に発表されたのは7月の米国の消費者物価指数。6月の消費者物価発表の際には、前月比1.3%増、前年同月比9.1%増と予想を大きく上回る数字だったので、インフレの亢進に怯える金融・株式市場に激震が走った。ところが、市場参加者が固唾を飲んで見守った7月の物価は前月比横ばい、前年同月比8.5%増と、インフレ圧力は小緩んだのだ。

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カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
滝田洋一 1957年千葉県生れ。日本経済新聞社特任編集委員。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」解説キャスター。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了後、1981年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ支局、経済部編集委員、米州総局編集委員などを経て現職。リーマン・ショックに伴う世界金融危機の報道で2008年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。複雑な世界経済、金融マーケットを平易な言葉で分かりやすく解説・分析、大胆な予想も。近著に『世界経済大乱』『世界経済 チキンゲームの罠』『コロナクライシス』など。
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