アルゼンチンBRICS加盟の背景にある中国依存

執筆者:西濵徹 2023年1月11日
タグ: 中国 習近平
エリア: アジア 中南米
アルゼンチンと中国の蜜月がもたらすもの(C)AFP=時事
アルゼンチンのBRICS加盟に向けた動きが前進している。背景にあるのが、同国の飼料用穀物とリチウムをはじめとする鉱物資源に触手を伸ばす中国の存在だ。BRICS内ではブラジルのルラ新大統領が後押しする一方で、インドが警戒感を高めている。

 

 アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、2022年6月に開催された「新興国の雄」と称される中国、インド、ブラジル、ロシア、南アフリカの5カ国で構成されるBRICSの首脳会議に参加し、BRICSへの加盟を要望する意思を表明した。コロナ禍の影響により首脳会議そのものはオンラインで開催されたものの、中国がBRICSの議長国を務めていたことに加え、アルゼンチンが中国の招待により参加していたことを勘案すれば、アルゼンチンの動きは中国の意向が大きく影響したものと考えられる。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
西濵徹(にしはまとおる) 第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト。一橋大学経済学部卒業後、国際協力銀行(JBIC)でアジア地域向け円借款業務などを担当。2008年より第一生命経済研究所、2015年より現職。アジアを中心とする新興国のマクロ経済及び政治情勢分析を担当。著書に『ASEANは日本経済をどう変えるのか』(NHK新書/2014年)などがある。
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