「独中同盟」は西側のリスク要因と化す

執筆者:佐藤伸行 2014年7月15日
エリア: ヨーロッパ アジア
 北京で中国の習近平国家主席(右)と握手するドイツのメルケル首相 (C)EPA=時事
北京で中国の習近平国家主席(右)と握手するドイツのメルケル首相 (C)EPA=時事

 メルケル・ドイツ首相は7月上旬、中国を訪問した。メルケルの「北京詣で」は2005年の首相就任後、7度目となった。

 昨年12月に発足した第3次メルケル内閣は、与党間で合意された連立協定で「対日友好関係はドイツのアジア外交の重要な支柱」と宣言しているだけに、日本との兼ね合いから、中国との新たな「間合い」がはかられるのかどうか注目されたが、中国の人権問題に対するメルケルの言及は形ばかりの空疎なものであり、ビジネス最優先で中国との戦略的互恵関係を維持するドイツの「国是」が変わるような兆しは全く見えなかった。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
佐藤伸行(さとうのぶゆき) 追手門学院大学経済学部教授。1960年山形県生れ。85年早稲田大学卒業後、時事通信社入社。90年代はハンブルク支局、ベルリン支局でドイツ統一プロセスとその後のドイツ情勢をカバー。98年から2003年までウィーン支局で旧ユーゴスラビア民族紛争など東欧問題を取材した。06年から09年までワシントン支局勤務を経て編集委員を務め退職。15年より現職。著書に『世界最強の女帝 メルケルの謎』(文春新書)。
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