「死屍累々」が予想される「電力新規参入」

 壮大で馬鹿げたお祭り騒ぎが電力市場で進みつつある。電力小売り自由化に伴う新規参入ラッシュである。

 電気事業法の改正によって来年には家庭用の小口まで全面自由化されることが決まり、新規参入のために「特定規模電気事業者」として経済産業省に届け出た企業数は、今年1月30日段階で526社にのぼっている。そこには東京ガスや大阪ガスのように大型の発電所を保有する会社も含まれるが、大多数はごく小規模の電源しかもたない一般企業。現状では小規模の火力発電でもコスト競争力は持てそうにみえるが、石油価格が再び上昇すれば、大規模な発電所、とりわけコストの安い原子力発電所を持つ電力会社に対抗するのは難しい。新規参入者の大多数が数年で“討ち死に”となるのは確実だ。

 

復権を狙う経産省の思惑

 まず、電力小売りをめぐるデータと自由化の歴史を整理しておこう。

 今、一般家庭まで電力を小売りできる事業者は全国で10社ある。1951年、全国を9社(後に沖縄復帰に伴い沖縄電力が加わり10社)の地域独占の電力会社に任せる今の体制が発足した。東京電力、関西電力、中部電力などがこれにあたる。細かく言えば、これ以外に電源開発(Jパワー)や日本原子力発電のような発電専業で、電力会社に電力を卸売りしている発電会社もある。

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