クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?
クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

エベレスト越え聖火とは 愚行どこまで?

徳岡孝夫
執筆者:徳岡孝夫 2007年11月号
カテゴリ: スポーツ 文化・歴史

 市川崑の「東京オリンピック」もいい映画だったが、戦前少年の胸に残るのはヒトラーの恋人レニ・リーフェンシュタールが撮った「民族の祭典」である。一九三六年ベルリン五輪の記録映画で、いまの若者が見ても、民族主義者になって映画館から出てくることだろう。 来年の北京オリンピックも、一大感動巨篇になるはずである。ここに北京あって天下に君臨す! 大革命、大躍進、大虐殺と何にでも大を付けるmegalomania(誇張癖)の国だから、映画も中華帝国の偉大さに嬉し涙がこぼれるものに違いない。 だが私が期して待つのは感動的な開会式ではなく、その前すなわち聖火リレーである。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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