クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?
クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

創業と守成 去った二人の大統領

徳岡孝夫
執筆者:徳岡孝夫 2008年3月号
カテゴリ: 国際

 パリで、他でもないデヴィ夫人が語るのを聞いた話である。 正確な日時のことは、聞いたであろうが忘れた。とにかく一九六三、四年頃の某日のことである。デヴィさんはバリへ行くため、東ジャワのスラバヤ空港だか空軍基地だかで、飛行機が来るのを待っていた。建物の外に椅子を出し、そこに座って待った。少数の随員がいた。待つ機影は、なかなか見えない。 飛行場は広い。はるか遠くに人の姿が見えた。近付くにつれ、三人であることが分った。ますます近付いてくる。三人が横一列になり、軍人らしく三人とも手を横に振りながら、姿勢正しく歩いてくる。デヴィさんは、無言で見ていた。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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