電気自動車メーカーへの出資が浮き彫りにする「トヨタの迷走」

執筆者:新田賢吾 2010年7月2日

 トヨタ自動車は2008年に販売台数で米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて世界最大の自動車メーカーになった。企業として絶頂に立ったわけだが、それ以降、急速にトヨタらしい強さを喪失していった。
 米国でのブレーキペダルをめぐる大規模リコールは、トヨタを世界トップに押し上げた高品質が揺らいだことを示した。原因は部品を納入した米部品メーカーにあるが、結果的にいえば納入企業の選択、生産指導で従来のトヨタの能力が薄れたことは歴然としている。かつては傲慢なほど自信たっぷりだったトヨタの幹部も、記者会見で目が宙を泳ぐ場面が増え、グループを率いる豊田章男社長は、内輪の会合とはいえ、テレビカメラも入った公衆の面前で涙を流す失態を演じてしまった。
 そうした下り坂のトヨタがまた不可思議な決断を下した。米電気自動車メーカー、テスラ・モーターズへの出資である。トヨタはテスラに5000万ドル(約44億円)を出資、電気自動車の開発に取り組むという。年内にもトヨタの既存車をベースにした試作車をつくる予定だ。

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