軍事のコモンセンス (24)

「情報」ということ(上)

執筆者:冨澤暉 2017年7月15日
日露戦争時、ロシアの後方攪乱工作で成果を挙げた明石元二郎大佐(のち陸軍大将)。彼の活躍を『坂の上の雲』で描き出したのが、司馬遼太郎だった

 

 

「情報」と「兵站」は、第2次世界大戦において日本が敗れた2大要因だと言われている。無論、「情報」と「兵站」の不足を知りつつ強引に開戦した「作戦」や、その「作戦」部門に一方的な力を与えた「制度」と「人事」が悪かったという見方もあろうし、さらには、それらの統合を教えた筈の陸大・海大の「教育」こそ反省すべきだ、という考え方もある。それはさておき、先ずは帝国陸海軍の反省から現自衛隊の「情報」に関し気にかかる点を述べてみたい。

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執筆者プロフィール
冨澤暉(とみざわひかる) 元陸将、東洋学園大学理事・名誉教授、財団法人偕行社理事長、日本防衛学会顧問。1938年生まれ。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊に入隊。米陸軍機甲学校に留学。第1師団長、陸上幕僚副長、北部方面総監を経て、陸上幕僚長を最後に1995年退官。著書に『逆説の軍事論』(バジリコ)、『シンポジウム イラク戦争』(編著、かや書房)、『矛盾だらけの日本の安全保障』(田原総一朗氏との対談、海竜社)。
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