2週間後に迫ったアイオワ州共和党党員集会の着目点

執筆者:足立正彦 2011年12月20日
タグ: 中国 アメリカ
エリア: 北米

 2012年共和党大統領候補選出プロセスの幕開けとなる来年1月3日のアイオワ州党員集会まで2週間となった。本稿では、アイオワ州党員集会の特徴や役割などに触れたうえで、ニュート・ギングリッチ元下院議長(ジョージア州第6区)、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事、ロン・ポール下院議員(テキサス州第14区)の3人の主要候補にとっての課題に焦点を当てて考えてみたい。

 アイオワ州の人口は304万人(2010年国勢調査)であり、同州の共和党登録有権者数は60万人となっており、前回2008年のアイオワ州共和党党員集会に参加した有権者数は12万人であった。そのうちの実に60%以上が福音派キリスト教徒であるため、アイオワ州党員集会では福音派キリスト教徒をはじめとする社会的保守勢力の発言力が非常に強く、4年前には元牧師のマイク・ハッカビー前アーカンソー州知事が勝利している。しかも、州民の91.3%は白人であり、少数民族(マイノリティ)出身の有権者が極めて少ない。全米の人口動態が反映されていない、米国の人口全体の100分の1しかないアイオワ州が、最初に党員集会を実施することで大統領候補選出プロセスにおいて過剰な影響力を持つべきではないとの議論もある。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top