死刑執行遅延・麻原奪還という計画(?)にどう対応-裁判員裁判の設備再検討を

執筆者:春名幹男 2012年1月4日
タグ: ロシア 日本
エリア: アジア

 オウム真理教元幹部、平田信容疑者(46)がなぜ出頭したのか、その動機をめぐって議論が起きている。

 彼は逮捕後、自ら滝本太郎弁護士との接見を求めた。滝本さんは接見後、麻原彰晃の「死刑執行は当然」などと語っていたことを明らかにした。ジャーナリスト、江川紹子さんらは、出頭は「麻原らの死刑執行遅延が目的」とみているが、平田容疑者本人がその説を否定した形だ。

 そもそも滝本さんは一家惨殺された坂本堤弁護士の元同僚で横浜弁護士会所属、オウム脱会者支援活動を続けてきた人物だ。そんな反オウムの人に弁護を頼んだこと自体、最初からオウムとは無関係だと装うため出て来た可能性がある。平田容疑者は、教団から1000万円の逃亡資金をもらったとも言われ、17年間もの逃亡を助けた組織の存在は否定できない。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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