野田佳彦政権の「税と社会保障の一体改革」の行方が混迷を深めている。理由は3つある。どれも野田だからダメとか民主党だから歪んだというものではない。そもそもこの課題は、日本の公共的意思決定過程が正面から扱ってこなかったテーマだからである。目をそむけてきた課題に対して、資本市場での「日本売り」の恐怖が迫るなか、民主党政権はついにおずおずとではあっても手をつけざるをえなくなったというのが実際だ。主権国家の債務危機が荒れ狂うなかで、気がつけば日本は最も狙撃されやすい位置にいることを、菅直人前首相の頃から認識せざるをえなくなったのだ。
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