いまだに野球のどこが面白いのかがわからない。テレビで中継を見ていても五分で飽きる。退屈そうにガムを噛みながら、ときどきボールを投げてときどき打つ、という印象しかない。傍目には集団乱闘に見えてしまうラグビーや、運動量が多すぎて三分とリンクに立てないアイスホッケーを見た後ではさらに印象は悪い。 今年四月、フロリダで行なわれたテニスのチーム世界選手権「デビスカップ」でアンディ・ロディックがサーブの世界最速を記録した。時速は二百四十四・六キロ。このサーブはレシーブ側から見て、約四メートル幅のサービスエリアのどこにくるかが判らない。

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