友人に夏の終わりにお化け屋敷で一杯と誘われた。銀座のはずれにあるビアレストランである。なんの変哲もない下町風西洋飲み屋で、満員の客が歩道に並べられたテーブルにまであふれかえっている。ビールが旨い。 ところが、つまみがとんでもないのだ。ポテトサラダも見た目は普通なのだが、べちゃべちゃの玉ねぎとみりんと化学調味料の味がする。ウスターソースでごまかそうにも、そのソースはハーブというより仁丹の味がする。次にでてきた枝豆は、海水で煮たとしか考えられない。メンチカツは化学調味料を主材料に、肉を風味付けに加えたという代物。いくらなんでもやりすぎだと思う。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
成毛眞(なるけまこと) 中央大学卒業後、自動車部品メーカー、株式会社アスキーなどを経て、1986年、マイクロソフト株式会社に入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。2011年、書評サイト「HONZ」を開設。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。著書に『面白い本』(岩波新書)、『ビジネスマンへの歌舞伎案内』(NHK出版)、『これが「買い」だ 私のキュレーション術』(新潮社)、『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)、『金のなる人 お金をどんどん働かせ資産を増やす生き方』(ポプラ社)など多数。(写真©岡倉禎志)。
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