【キーパーソン】西岡喬 国益と経営改革の両立――三菱重工の“荊の道”

執筆者:安西巧 2002年6月号
タグ: 中国 韓国 日本

 三菱重工業長崎造船所。安政四年(一八五七年)に幕府がわが国最初の艦船修理工場として開設、維新後の明治二十年(一八八七年)に払い下げられた。その構内で今、世界最大級の大型客船二隻の建造が進んでいる。英P&Oプリンセスクルーズ社が発注した「ダイヤモンド・プリンセス」と「サファイア・プリンセス」。客室、レストラン・バー、プールのほか、映画館やカジノなどラスベガスの豪華ホテル並みの施設を備える。受注額は二隻で一千億円前後。来年七月に一足先に竣工するダイヤモンド・プリンセスは、関係者の口癖である「三菱重工復活のシンボル」に相応しく、優雅な姿をほぼ整えつつある。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f