「セルビア人は純朴で気のいい連中だが、1度世界をだましてやろうと腹を決めれば、他のどんな民族よりも狡猾ないかさま師になることができる」
1990年代の旧ユーゴスラビア紛争のさなか、セルビア人に対するそんな民族評を繰り返し聞かされたものだった。「バルカンのキツネ」と呼ばれた故スロボダン・ミロシェビッチ・ユーゴ大統領(2006年、収監先の旧ユーゴ国際戦犯法廷で急死)やボスニア・ヘルツェゴビナ内戦で大虐殺を繰り広げたカラジッチ被告(公判中)は、世界の大物外交官らを次々に手玉に取り、譲歩したと見せかけては裏をかき、和平仲介者を愚弄し続けたのだった。
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