オバマ大統領の「焦り」と「超党派主義」の限界

執筆者:足立正彦 2014年1月30日
エリア: 北米

 バラク・オバマ大統領は米国東部標準時間1月28日午後9時過ぎから米議会上下両院合同本会議で「一般教書演説」を行い、今後1年間の内政、外交の基本方針を明らかにした。2012年11月に行われた大統領選挙で共和党大統領候補のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事を大差で破り、第2期政権の1年目をスタートさせたばかりの昨年2月12日に行った「一般教書演説」と今回とを比較すると、オバマ大統領自身の立場が大幅に弱体化した事実を先ず認識せざるを得ない。昨年2月時点でのオバマ大統領の支持率は各種世論調査では55%前後で順調に推移しており、自らの優先政策課題を実現していくための「政治資本」も、再選を果たしたばかりのオバマ大統領にはあった。ところが、あれから1年が経過した現在のオバマ大統領の支持率は「不支持」が「支持」を大幅に上回り、大統領支持率は40%台前半にまで低下している。実に、この1年間で15ポイント前後も支持率が低下してしまったのだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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