深層レポート 日本の政治
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すでに始まった安倍・福田「同門対決」の第一ラウンド
半世紀を超える自由民主党の歴史でも、総裁選に同じ派閥から複数の立候補者が出て覇を競ったケースは数えるほどしかない。最近では、参議院選挙大敗の責任を取り辞意表明した橋本龍太郎首相(当時、以下同)の後任を決める一九九八年の総裁選に、小渕派会長の小渕恵三外相と副会長の梶山静六前官房長官(直前に派閥を離脱)が出馬したのがその代表例だ。 近親憎悪的な人間関係のもつれに加え、一本化調整の失敗という経緯を経るだけに、同門対決は激しい感情的対立に発展しやすい。同時に、政策的な対立も先鋭化する傾向にある。「同門対決やむなし」と自らに言い聞かせるための大義が、候補者本人にも派閥メンバーにも必要だからだろう。

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