財政、年金、医療。わが国を「持続可能な社会」にするための“骨格”が危機に瀕している。制度の再設計に臨めるのは今しかない。 ファンドを中心とした外国人投資家と海外脱出など一度も考えたこともない日本の一般国民との間には、深い溝があると考えられてきた。ハゲタカやハイエナという動物のイメージで投資ファンドを描くことも一つの傾向となったからである。国民の本来の資産に無遠慮に手をつっ込んでくる国外勢力の遮断こそが国政の課題との言説さえ登場していた。しかし次の三点の設問を頭に浮かべてほしい。 (一) 日本国の債務の認識に当たって、地方自治体のうち、実質上の財政破綻に陥ったところの累積債務から、国は本当にリスク遮断をなしえているであろうか。
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