特集●アメリカ大統領選挙の見えない帰趨 マケインの“危険な賭け”の狙い

執筆者:堀口晴正 2008年10月号
エリア: 北米

[セントポール発]「サラ・ペイリンは生き残れるのか」――もちろん生物学的にではなく政治的に、しかも「あとひと月半」。それがアメリカの政治記者に共通する疑問だ。 全米では無名に近いアラスカ州知事からにわかに副大統領候補となったペイリンは、ベージュのジャケットと黒いスカート姿で演壇に姿を現した。ミネソタ州の州都セントポール。ジョン・マケイン上院議員とペイリンを正副大統領候補に指名する共和党大会は、アメリカンフットボールの試合にも使われる屋内競技場エクセル・エナジー・センターを舞台に九月一日から四日間の日程で行なわれた。最大の見せ場は、最終日のマケインによる指名受諾演説ではなく、その前夜、三日のペイリンによる三十分間のスピーチだった。

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