「教育の場」から「生活」の場へと変貌する学校 それは建築にも顕著に現れている 大阪教育大学附属池田小学校の児童殺傷事件はまだ記憶に生々しいが、現場の校舎を見ると、古いスタイルの校舎で、一直線の片側廊下に沿って、同じ大きさの教室が並ぶ、いわゆる“ハーモニカ方式”の校舎であった。 全国の学校数は、小中学校あわせて約四万校にのぼるが、その八割を超える校舎は池田小学校と同じ“ハーモニカ方式”の校舎である。しかも、そのほとんどが昭和四十年代から五十年代の児童生徒数急増期に大量に建設された。このことが学習環境の画一化をもたらし、全国どこにいっても同じような校舎が見られる理由なのである。

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