中国の次期指導者と目されている胡錦濤国家副主席(五九)が、四月二十七日から五月三日まで、米国を初めて公式訪問した。 滞在中の会談相手はブッシュ大統領をはじめ、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、オニール財務長官、上下両院の重鎮議員と多岐にわたった。同副主席はこの秋、中国共産党大会で江沢民総書記(国家主席)の後任に選ばれ、来春に国家主席ポストを引き継ぐとみられており、これを前に米国の首脳と意見交換し、信頼関係を築くのが狙いだった。 ただ、訪米時にはメディア向けのパフォーマンスで米世論を引きつけた江沢民国家主席や朱鎔基首相と違い、同副主席は米メディアのインタビューに応じず、記者会見も持たなかった。能吏の生真面目な性格もあるが、「禅譲」を前に、突出して中国国内の反発を買わないよう気を遣ったようだ。

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