薄熙来を追い落とし、香港では梁振英が行政長官に当選し、なにやら優位に展開する権力闘争の余勢を駆ってか、3月末から4月初旬にかけて、胡錦濤主席派の3首脳は派手に東南アジア外交を展開する。
3月31日、ASEANサミット(開催は4月3、4日)目前のカンボジアの首都プノンペンに乗り込んだ胡錦濤主席は、フン・セン首相と会談し、両国の戦略的協力関係を確認すると同時に、17年までの5年間に両国貿易総額を現在の2倍の50億ドル規模に拡大することで合意した。その際、胡主席はASEANサミット議長を務めるフン・セン首相に、南シナ海問題について2国間協議を基本方針とする中国の立場を強調し、多国間協議を掲げる他のASEAN関係諸国を牽制した。

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