中国共産党との提携に踏みだしたタイ最大野党・民主党

執筆者:樋泉克夫 2012年4月5日
タグ: 中国 香港 タイ
エリア: アジア

 薄熙来を追い落とし、香港では梁振英が行政長官に当選し、なにやら優位に展開する権力闘争の余勢を駆ってか、3月末から4月初旬にかけて、胡錦濤主席派の3首脳は派手に東南アジア外交を展開する。

 3月31日、ASEANサミット(開催は4月3、4日)目前のカンボジアの首都プノンペンに乗り込んだ胡錦濤主席は、フン・セン首相と会談し、両国の戦略的協力関係を確認すると同時に、17年までの5年間に両国貿易総額を現在の2倍の50億ドル規模に拡大することで合意した。その際、胡主席はASEANサミット議長を務めるフン・セン首相に、南シナ海問題について2国間協議を基本方針とする中国の立場を強調し、多国間協議を掲げる他のASEAN関係諸国を牽制した。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top