インド「干ばつ」騒ぎは杞憂に終わるか

執筆者:緒方麻也 2015年7月7日
タグ: インド
エリア: アジア

 例年、春先から夏にかけてインドのメディアは毎日のように「モンスーン」の動向を伝え、国民がこれに一喜一憂する。モンスーンとは6~9月にインド亜大陸を覆う低気圧による降雨のことだが、インド気象局(IMD)は6月上旬、今年のモンスーン期の降雨量が平年比マイナス12%という「干ばつ」に近いレベルになるとの予報を発表。農民だけでなくビジネス界や政府をも巻き込んだ騒ぎとなった。それというのも、農地の灌漑普及率が50%にも満たないインドではモンスーン期序盤の雨を待って種まきをするケースが多く、この時期に十分な雨が降らないと作付けや作物の生育が遅れて不作につながり、インド経済全体の足を引っ張りかねないからだ。

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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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