活発化する「米国産原油輸出解禁」への動き

 オバマ政権が2009年1月に始動してから約6年9カ月が経過しようとしている。政権発足当時を振り返ると、米国を取り巻く実に多くの分野で様々な変化が生じたことを実感させられるが、エネルギー事情もその1つである。米国のシェール革命により米国内でのシェールガス、シェールオイルの生産量は劇的に増大し、エネルギー事情に大きな変化がもたらされた。こうした変化を受けて、最近、米議会では米国産原油の輸出解禁を目指す動きが活発化してきている。

 

シェール革命によるエネルギー事情の変化

 1973年の第1次石油危機の発生を受けて米議会では「エネルギー政策・保存法(Energy Policy and Conservation Act of 1975(EPCA)」が1975年に可決され、フォード大統領の署名を受けて成立した。同法に基づき、カナダ国内の消費向け輸出などを例外として、未精製の米国産原油の輸出は過去40年間原則禁止されてきたのである。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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