1月6日に北朝鮮は4回目の核実験を行い、「初めての水爆実験に成功した」と主張しているが、注目すべきは事前通告がなかったという中国の対応である。華春瑩中国外交部報道官は、2日後、8日の定例記者会見で、金正恩朝鮮労働党第1書記の誕生日にあたり祝意を伝達したのかという質問に、「我不知道(I don’t know)」と答えたが、このやり取りは、外交部公式ホームページにはなぜか掲載されていない【リンク】。
2015年の誕生日の際には、同じ質問に対して、北朝鮮に祝意を伝達したと回答していることから【リンク】、「私は知らない」という今年の回答は、とっさに出た言葉というよりは、準備された応答要領に基づくものであると考えることが、外交上の常識である。もし中国が、北朝鮮のいわゆる「水爆実験」への怒りを真剣に表現したいのであれば、祝意を伝えていないとした上で、北朝鮮への批判を述べればよいはずだ。しかし、このような一見あいまいにみえる中国の対応から読み取れることは、一部日本メディアで語られているように、中国が北朝鮮の暴挙に怒り心頭というのは全く誤りで、中国が祝意伝達を婉曲に肯定し、中朝関係維持に腐心していることを意味している。
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