当選時や就任時に各国の政治リーダーが、具体的な国名をどのような順で言及するかは、非常に簡単だが明確に新政権の外交政策を占うことができる重要な指標の1つである。韓国大統領の就任演説を例にとると、李明博前大統領(2008年2月就任)までは、韓国にとっての周辺4大国である米国、日本、中国、ロシアをこの順で挙げるのが通例だったが、朴槿恵大統領(2013年2月就任)は、日本と中国を敢えて入れ替えて言及し、それまでにはなかった対中傾斜の片鱗を示した。
蔡英文民主進歩党主席が台湾総統当選当日(1月16日)、記者会見の質疑応答で挙げた具体的な国名は、米国と日本だけであり、次期政権が日米両国及び日米同盟との連携に積極的であることを明示した【リンク】。

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