安倍政権の終わりが始まったのだろう。7月10日夜、自民党本部で参院選の開票を見守る自民党幹部は、笑顔もそこそこの複雑な表情を浮かべていた。自民、公明両党は選挙区選、比例選とも議席を伸ばし、安倍首相が勝敗ラインに掲げた与党で改選定数過半数の61議席を大幅に上回った。自民、公明両党に、憲法改正を目指す、おおさか維新の会などを加えた改憲勢力としても参院の3分の2に達した。衆院で3分の2をすでに保持しているのに加え、参院でも3分の2を確保する結果に、テレビの開票速報は「与党大勝」と伝えていた。しかし、浮かない表情の自民党幹部が注目したのは、選挙区選の自民党が設定した最重点区の結果だった。
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