対「北朝鮮ミサイル」防衛論(上)「先制攻撃」がない「理由」

第2次朝鮮戦争勃発のトリガーを、誰も引くはずはないのだが(写真は1950年9月、米軍による仁川上陸作戦)(c)AFP=時事
昨今の米朝関係の緊迫に関する国内の報道を見るにつけ、「国民の生命と財産を守る」と言う観点から考えると、いたずらに不安を煽られているような気がしてならない。それは、「戦略レベル」の問題と「戦術レベル」の問題がごっちゃになった報道が多いからだ。
米・朝・中の「戦略的対話」
「戦術レベル」とは、簡単に言えば、軍の作戦司令官同士の戦いである。自軍の損害を最小限に抑え、敵軍にいかに大きな損害を与えるか。そのためにミサイルや砲弾を撃ち込むという、いわゆる武力衝突による戦闘である。

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