ニューヨーク発 トランプのアメリカ (6)

FBI長官「突如解任」トランプ大統領の「真意」と「波紋」

執筆者:青木冨貴子 2017年5月22日
エリア: 北米 ヨーロッパ
ホワイトハウスでのこのロシア・ラブロフ外相との会談の際、「ロシアゲート」疑惑のキーマンも招き入れていた(C)AFP=時事

 

 ニューヨークに住んで30年以上になるが、今ほど大統領の信頼が失墜したことはなかった。政治家は自らの言葉と判断でしか信頼を勝ち得ないが、今ほど大統領の資質と言語能力が問われたこともないだろう。彼には国家の機密を扱う能力があるのかという疑問の声すら上がっているほどだ。すべて、米連邦捜査局(FBI)ジェームズ・コミー長官解任後に始まった、トランプ政権の屋台骨を揺るがす新事態に次ぐ新事態の大展開のなかで起こっている。これはまた、行政府の長である大統領に対する司法(裁判所)と立法(連邦議会)の4つに組んだ戦いを目のあたりにするようである。

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執筆者プロフィール
青木冨貴子(あおきふきこ) あおき・ふきこ ジャーナリスト。1948(昭和23)年、東京生まれ。フリージャーナリスト。84年に渡米、「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を3年間務める。著書に『目撃 アメリカ崩壊』『ライカでグッドバイ―カメラマン沢田教一が撃たれた日』『731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く』『昭和天皇とワシントンを結んだ男』『GHQと戦った女 沢田美喜』など。 夫は作家のピート・ハミル氏。
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