「インフレ4ケタ」「死者80人」ベネズエラ危機の「見えない出口」

国際社会も「無力」のマドゥロ大統領「独裁」状態が続いている
6月19日から21日までメキシコのカンクンで米州機構(OAS)の第47回年次総会が開かれた。初日の19日を、ベネズエラ危機を討議する外相特別会議に当てたが、深刻化するベネズエラの人権や人道上の問題に対し、国際社会はまたも無力さをさらけ出す結果となった。
会議は事前に予想されたように、ベネズエラのマドゥロ政権の独裁化を非難し、危機の打開に向けて関与を果たそうとする米州の多数派の国々と、内政不干渉を盾に「人道的危機を口実にした介入」に反対するベネズエラとそれに同調する国々との対立構造が再現された。結果として、総会全体を通しても、民主的規範を逸脱する現体制に対する非難も、地域共同体としての危機への対応方針も確定できないまま閉会となった。ベネズエラ国内の事態の深刻化をよそに、まさに「会議は踊る」の状況が続いた。

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