南米の政治転換を占うペルー急進左派「カスティジョ政権」波乱の幕開け

執筆者:遅野井茂雄 2021年8月31日
カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
エリア: 中南米
トレードマークの帽子をかぶって大統領就任演説に臨んだカスティジョ氏(C)AFP=時事
アルゼンチン、ボリビアに続くぺルーでの左派政権誕生に沸く中南米の左派勢力だが、カスティジョ政権にとって改革はいばらの道。議会では過半数を持たず、組閣では対立の火種が生じ、早くの行政能力に疑問符が付いている。

 

 新型コロナの感染拡大が、2014年以降経済停滞に喘いだ中南米に深刻な打撃を及ぼしたことは、本誌で報告してきたところである。政府に対する信頼感が一段と低下し、反政府デモや政治不安が広がっている。

  中でも、「太平洋同盟」を構成してグローバル化への改革を推進し、自由市場経済で成長を牽引してきたはずのチリ、コロンビア、ペルーでの政治不安が際立ち、左派政権への転換が現実のものとなりつつある(「同盟」の一角メキシコでは、すでにポピュリズムへの傾斜の強い新興左派政権が誕生している)。

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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