MRIC通信 (2)

東大「研究不正」事件:医学部教授「おとがめなし」で東大が失ったもの

執筆者:医療ガバナンス学会 2017年8月25日
タグ: アメリカ 日本
エリア: 北米 アジア
世界が注目した会見だったが、十分な調査とは言い難い内容だった(東大・光石衛副学長=右=ら)(C)時事

 

【筆者:榎木英介・近畿大学医学部附属病院臨床研究センター講師、経歴詳細は本文末尾に】

 2017年8月1日、東京大学は匿名の告発により研究不正があることが疑われた論文22報の調査結果を公開した。

記者会見「22報論文の研究不正の申立てに関する調査報告」の実施について

 それによれば、分子細胞学研究所の研究者2名の論文5報(16図)に捏造、改ざんが認められた一方、医学部の教授5名がかかわった論文には研究不正がなかったという。

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執筆者プロフィール
医療ガバナンス学会(いりょうがばなんすがっかい) 広く一般市民を対象として、医療と社会の間に生じる諸問題をガバナンスという視点から解決し、市民の医療生活の向上に寄与するとともに、啓発活動を行っていくことを目的として設立された「特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所」が主催する研究会が「医療ガバナンス学会」である。元東京大学医科学研究所特任教授の上昌広氏が理事長を務め、医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC(医療ガバナンス学会)」も発行する。「MRICの部屋」では、このメルマガで配信された記事も転載する。
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